2025年1月8日(水) 初詣 寒川神社 | ||
令和7年の干支(えと)は乙巳(きのとみ)で、成長と変革の年だそうであるが、自国の利益を優先させて世界が大変動してしまうことだけは勘弁してもらいたい。 さて、日本人にとってお正月とは、旧年にあった良しも悪しきも諸々の事象、想念争い、関係などを精算、ゼロクリアして新たな思いで365日間を始める、誓いを立てる期間である。そこで、思い思いの神社仏閣に参拝して各々の誓い、感謝を神仏に宣言するために詣でるわけである。 昨年、車の運転免許証を更新せず、車も手放してしまったため、今年は電車を2回乗り継いで、相模国一之宮である寒川神社に初詣に出掛ける。JR相模線の宮山駅から5分ほど歩き、神池橋の太鼓橋を渡ると、寒川神社の三の鳥居が出迎えてくれる。昨日の七草で松の内が終ったにもかかわらず、初詣の参拝者は引きも切らずに三の鳥居に続く参道に歩を進めていく。 神門には25回目となる弁財天と幸運の蛇を模ったねぶたが祀られ、神門に続く右側の囲い塀にはたくさんの祈願を記した絵馬が整然と飾られている。夜にはねぶたや提灯に灯りが灯され人びとの願い、思い、決意、感謝をあぶり出すように、神聖で幻想的な神域を創り出してくれるようである。 創建約千六百年の歴史をもつ由緒ある社殿には新年を祝う新しい長大な注連縄が飾られ、老若男女が列をなして新たな一年の門出にあたり、神様のご加護、己の誓いを祈願している。そこには、日本人として共通する素朴な信仰心の輝きを見る思いがするし、キリスト教、イスラム教、仏教などの大宗教とは異なる祈りの姿を垣間見ることができる。祈りを確かなものとするために、境内には寒川神社名物の八福餅を買い求める参拝人が、そこでも列を作っている。もちろん、我が家は夫婦二人なので多い気がするが、12個入の八福餅を贖う。伊勢神宮の赤福を真似たお餅のようであるが、八福餅の方が餅が柔らかくて喉の通りが良いように思う。なかなかの美味である。 |
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JR相模線 宮山駅 |
寒川神社 三の鳥居と神池橋 |
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寒川神社 神門のねぶた |
寒川神社 絵馬 |
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寒川神社 社殿 |
寒川神社 八福餅売店 |
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初詣を終えて宮山駅から二駅先の香川駅に移動し、予約しておいた蔵元料理天青に向かう。天青は、日本酒のほかに地ビールの湘南クラフトビール、ウィスキーを醸造する、明治5年創業の熊澤酒造が経営するレストランである。元酒造所であった大正時代に建築された建物をリフォームしたお店は、平日にもかかわらず1階、2階とも満席となり、大盛況を呈している。 香川駅から冬晴れのなかを5分ほど歩いて来ただけであるが、予想外に汗ばんでしまい、まずは湘南クラフトビールで喉を潤す。地元の野菜、魚の素材を活かした控え目に味付けした料理はすべて新鮮で素材のうまみを堪能することができる。熊澤酒造の特別純米酒吟望天青は、少しぬるめの燗のほうが料理と調和してお互いの特徴を更に引き出してくれるようだ。松の内は開けたが、寒川神社の神様とお正月を祝い、美酒と料理に舌鼓を打つ楽しいひと時を堪能する。 |
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蔵元料理天青の入口には正月飾り |
鱈の白子蒸しと春菊と蓮根のコロッケを肴に 特別純米酒吟望天青のぬる燗を堪能 |
さんど
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